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今日の福本伸行先生×佐藤秀峰先生の講演会はとっても楽しかったです!!!

詳細は別ページにて!
とりあえず写真だけ先にアップ。
構内に掲示されていた講演会の告知ポスター。
女子美ポスター2

ポスターその2。B0サイズの大きいやつ。
女子美ポスタ-1

そして、講演会終盤での福本先生お絵描きタイムの『カイジ』。
15分くらいかけて丁寧に描いてくださいました。
女子美カイジ

入場チケットの半券についていたナンバリングでの抽選で1名様に先生直々にプレゼントされたものです。
当選された方のご好意で講演会終了後は撮影大会状態でした。
ありがとうございましたっ!!!

実行委員会の皆さん、お疲れさまでした。
450名もの参加者を誘導してくれた黒服レディ'sなスタッフさんの働きあってこそのスムーズな開催でしたねー。

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講演会の詳細は「福本伸行先生×佐藤秀峰先生講演会 in 女子美 その1」 へGO!

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10/25の講演会へ参加して参りました!
以下は当日のレポというか、自分記録というか。
イベント中は録画・録音等は厳禁だった為走り書きのメモを元に思い出しながら書き起こした物です。
実際の内容と表現等異なる点、内容のヌケなどがあるであろうことをご了解の上お読みいただけると幸いです。かなり長い文章なので全文をお読みいただけるかたは「つづきを表示」をクリックしてお進みくださいまし。
福本先生講演会


んでは、ざわっ・・・といきましょう♪

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ここで先生方のフリートークは一旦終了。
引き続き客席からの質問に答えてくれる事になりました。

質問したい人は元気に挙手・・・っ!

岩見さんが順番に指名して直接先生方に聞きたい事をぶつけます。さらにそこから派生した内容を岩見さんが上手く膨らませてくれて、いろいろと面白い話を聞かせてくれました♪
(※以下の個々のQ&Aはだいたいの要約であるとお考えください)

Q/最近コンビニ版で過去の短編集などが再販されていますが、福本先生のお気に入りの作品は何ですか?
A/『星降る夜に』『見上げれば通天閣』『あの人のトランペット』かなー。『見上げれば通天閣』は特によく出来ていたと思ってます
※『あの人のトランペット』は10月発売になったコンビニ版『銀ヤンマ』に収録されています。

Q/福本先生の漫画には独特の台詞や語彙が多いですが、どこからそういう言葉が生まれてくるんでしょうか?
A/小説などを読んでいて『粋な台詞』や『印象に残る台詞』を昔はノートに書き写したりしてました。凄い決めゼリフというよりもサラっと言うようなさりげない一言が頭に残ることも多いです。
※例として山本周五郎さんの小説のワンシーンを説明してくれたのですが・・・途中で先生は肝心の印象に残った台詞が出てこなくてグダグダに(笑)
シーンとしては、喧嘩っ早いお侍さんが「喧嘩禁止令」を上役から出されてしまって自分からは喧嘩を売れなくなってしまった→だけど街で因縁の相手と出会ってしまい「自分からは喧嘩を売る事は出来ない→けれど、お前が『向こうの空き地に行かないか?』と誘ってくれたら行けるのになぁ」みたいな感じのシーンだそうです。何の作品かな?
これって『賭博堕天録カイジ』での最後の兵藤坊ちゃんに「もう一勝負どうだ?」って誘われるカイジの心境に近いのかも・・・なんて思いました


「アウツ・・・!」とか「スーパーカップ・・・!」だとかの独特の言い回しは先生的にも好きなノリみたいです。
『ああっ!スーパーカップとかねー(笑)』って自分から笑って話してました。

福本先生は『ギャグ』は苦手。昔の作品でギャグっぽいシーンを描いてはいるものの正直面白くないな、と自分でも思われていると。(『天』の初期の頃とかだそうです。)『コメディ』なら自信がある。『カイジ』でのカイジと美心のデートシーンや黒沢みたいなのなら描けるんですよー、と。そんな福本先生から見ると4コマでエロギャグ漫画を描いていた佐藤先生は凄いなと思ってるそうです。4コマにまとめるなんて自分には出来ない、って話されてました。

こうした福本先生の台詞使いなどから影響を受けた部分はありますか?と話をふられた佐藤先生。
「ページのコマの最後に小さく書いてある台詞が、次のページでドンッ!と大きく書いてあったりするのが強く印象に残るので、そういう部分は真似しようかと思って意識してます」

福本先生としては「絵が上手かったら1枚の絵で言いたい事を伝えられる。けれど自分は上手くないので言葉で書いちゃう。1枚の絵だけで『伝われ』というのは難しい」
ただし熱いシーンの絵に同じく熱い台詞が乗ると「暑苦しい」という状態になってしまうので、そこは冠らないようにむしろさりげないシーンでこそそういう台詞をいれます、との事でした。

Q/「美心」の名前の由来は?
A/キムタクの娘さんの名前から。子供が生まれたときに「心が美しい子になるように」との願いをこめて『心美(ここみ)』ちゃんと名付けられたというニュースを聞いて、「あの両親なら見た目も保証されているようなものなにの、さらに心も美しく!だってー!?」と思ったので、うちの美心は・・・ああいう顔に・・・。(苦笑)
話しているうちに「あれ?うちのは『心美』だっけ?『美心』だっけ???」と先生混乱してきてました。(笑)

Q/自分以外の漫画作品は読みますか?
A/福本先生→ほとんど読まない。マガジンも自分の『零』とあとは『もう、しませんから』位しか読んでいない。
佐藤先生→ほんとに読まない。自分の作品も雑誌に掲載されても読み返さない。デビュー前に編集さんから『漫画ばっかり読んで描く漫画はダメだから、もっと映画や演劇を見たり小説を読んだりしなきゃ!』と言われたのきっかけで逆に「じゃあ、もう何も見ないっ!」と思って実行・・・さすがに5年くらいそんな生活をしていたら世間とのズレが大きくなってきたので、最近はそこまでではないそうです

小説や映画を読んだり、見たりしたからってそれが直接に作品に出てくるか?っていうとちょっと違うんじゃないかなーとお二人とも思っているようでした。

佐藤先生の「漫画読みません」発言を受けて、「僕の連載は・・・?」との福本先生がツッコミに「楽しみに読んでますっ!(^m^)」と速攻で返事を返す佐藤先生は可愛かったです。

福本先生は講談社漫画賞の審査員を最近は担当している関係で時期によっては嫌になるほど漫画を読まなくてはいけないものの、少女漫画でも面白い作品が結構あると思っているとの事。受賞候補としての選考を通ったよりすぐりのものばかり自分のところには届くので、どの作品も「面白い!」と思ってしまうそうです。
ドラマ化もされた『Life』がお気に入り。あともう1作タイトルを出していたけど聞き取れなかった(>m<。

少女漫画で描かれる女の子たちの純粋な貪欲さ、みたいなところは「怖い・・・」と思っているようでした。
恋の相手は必ず条件のそろったイケメンで、(自分はちょっとした事でヤキモチを焼くくせに)どうみても二股の浮気みたいな状態でも許してくれる本命彼氏がいて、さらに周囲にもいい男ばかりそろってて・・・という少女漫画の黄金パターンを素直に受け入れてしまえる思考そのものが、ちょっと怖いって。「花男」のような逆ハーレム漫画には少女漫画の典型が全部入ってますね、と。
まぁ・・・これは確かにそうかもねー。『真実の男』なんか読むと条件にこだわる女性心理は福本先生にとっては凄い謎なのかもしれぬ・・・。

Q/『零』はTV番組などの影響を受けて描かれたんですか?
A/「それは逆です。(キッパリ)」
最近のバラエティ番組などを見ていると漫画の方が負けてる気がする・・・もっと漫画でもいろいろ出来るハズ!という事で『零』を始めた。マガジンでは以前の「涯」の連載が上手くいかなかったので、物語のテンポアップなどを編集さんから重々言われて連載スタート。「涯」終了後から何年も編集さんと打ち合わせを重ねてようやく形になったそうです。

ところが第1話が70Pも一気に掲載だったのにアンケートの順位は16位・・・しかも翌週18位さらに次週は20位とランクダウン。
予想外にウケが悪かったのに戸惑いつつ「ジャック編」に入ったところでちょっとランクアップ、次の「△二等辺三角形だからっ!!!」な展開でまたランクアップとなって現在無事に連載1周年。
週刊少年誌の連載は人気が出ないとすぐに打ち切りが決まってしまう為、いろいろ難しい。青年誌の「黒沢」も福本先生としては不本意な終わり方になってしまったので、今思うと前半はもっとテキパキと展開させるべきだったなー、と。

「無頼伝 涯」で一番描きたかったのは『脱走物』。
その為にはまず捕まらなきゃ、脱走する為の理由として過酷な状況を描かなくてはという事でああいう展開で連載をしたけれど肝心の「脱走」に行き着く前に打ち切りが決定・・・結局本来の予定とは違う形での最後の脱走劇となったそうです。
※孤島の牢獄からの脱走!というと『アルカトラズからの脱出』、集団での脱走といえば『大脱走』という映画がそれぞれがありますが、そういう雰囲気でもっと涯の仲間が増えていっての学園からの大脱走・・・とかだったのかなぁと妄想。

Q/『カイジ』の連載再開の予定は?
A/「再開はしたいと思っていて新しいギャンブルのネタも暖めてます。まだ詰め切れていない部分もあってもう少し時間がかかりそう。将来的には『零』『アカギ』『カイジ』の3作品を同時連載出来るようにしていきたい・・・その為には今よりテキパキ仕事をして調整が必要ですね」
※『零』が週刊、「『アカギ』が月1、『カイジ』が以前は月3だったので、もし実現させるなら先生月産何枚の原稿になるんだろ(^^;でも、楽しみに待ってますっ!!!

Q/描きやすいキャラ、描きにくいキャラは誰ですか?
A/「描きにくいのはとにかく『零』!新しいキャラを作るのにまず「目」だなと思って大きいな瞳にしたけれど、キラキラしてるのがナチュラルに描けなくて苦労した。最近は瞳の大きさもちょっと小さくなって自然な自分のキャラに近づいてきている
※先生、うっかり「描きやすいキャラ」に答えるのを忘れてしまう。客席からの「描きやすいのは誰ですかー?」の声に慌てて考えるものの結局「零以外は描きやすい!」の結論に(笑)

Q/作品を作って発表する時に自分の作りたいものを作った!という満足感と、その作品に対しての世の中からの好意的な評価とどちらの方がより重要だと考えますか?(質問された方(おそらく現役の美大生)が実際に自分で作品を作っていて感じている事のようです)
A/「どちらがより大事というより50%/50%だと思う。自分が作ったもので50%、それが読者のもとに届いて楽しんでもらえて50%で「完成」。どちらも満足させる『王手飛車取り』か可能だと思ってます。」
※作品を作る過程でも様々な人が関わってくる以上そうしたものを全てひっくるめての先生の発言かな、と思います。まあ、この手の質問と答えはクリエーター業をやってる人間は必ず考えちゃう事だよね。それを実際に『王手飛車取り』まで持って行くのが非常にキツイんだけど、今の福本先生は出来てるって事だよなぁ・・・
佐藤先生も「だいたい同じですね(ニッコリ)」との回答でした。


Q/『新 ブラックジャックによろしく』は11月から再開の予定ですが・・・?
A/「11月の中旬から再開予定なんですが、まだ原稿描いてないんです。昨日編集の方に「再開はもう少し伸ばしては?」と言われましたが、なんとか間に合わせます」
※ええー!入稿日の逆算したらそれはマズイよ、佐藤先生・・・つーか「もう台割も出来てちゃってるんじゃないですか?」という岩見さんの言葉が正しい。編集さんは今頃ハラハラしてそうだぁ。(『新ブラックジャックに~』は無事に予定通りの号から連載再開しました!)

物語は「移植編」が佳境に入っているところで斉藤先生が赤城さんに自分の「腎臓」を提供してしまうのか?という展開。
何故『臓器移植』というテーマを選んだというと、既にいろいろな科を斉藤先生に回らせてしまいもうそれ位しかないかなー、と決めたそうです。その中でも「腎臓移植」にしたのは他の臓器と違い2つある臓器なので、「移植の為に提供する」というハードルが「提供者本人の意思に委ねられる」率が高い為。
「あげたら自分が死んでしまう臓器」=心臓などと比べると地味かもしれないけれど、その中にこそドラマ性があるんじゃないかな?と思って選んだテーマだそうです。ほほー、この視点は面白いなぁ。
(ただし腎臓も片側だけになると疲れやすくなってしまうなどの体に大きな影響が出る、というハンディが着くので、わりとスムーズに再生してしまう「肝臓」などとは違ってリスクは大きいと思います。その体で後々まで医者のハードな仕事をこなせるのか?という部分も物語のスパイスとして効かせてるんでしょうか。)

「それってアンパンマンみたいだよね?」と福本先生のツッコミが。
先生のこのセンス好きです。

佐藤先生は自分で描いているキャラなのに「斉藤先生」があまり好きではない様子。
「描いていてイライラするというか・・・なんでこんな事をこの人はしてるんだろうとか・・・」
「医者として彼のしようとしていることは間違っていると思ってます。医者自らが自分の患者のドナーになるなんて、『治療機会の公平性』からも違うかなと・・・」
ヒャー、先生なんて事を・・・!!!
(会場内にはこの場にちと不似合いな年配な方も少しいらっしゃって、「ブラックジャックに~」のファンの方かなーと思っていたのです。その方たち、この発言を聞いて大丈夫だったかしら)
まだ先は長い物語だけれど、再開した後は1年か1年半くらいで結末までまとめたいそうです。(この発言に何故か隣でウンウンとうなずいていた福本先生)

Q/『物語』の終わりについて
A/「カイジ」などはこれから先 カイジVS兵藤会長 のような構図で進んで、最後はカイジが兵藤を倒す!みたいな感じが物語として美しいと思ってます。それが自分にとっても読者にしても「美しい」。大円団・・・え?あれ・・・そうっ!・・・ 大団円!!!」(笑)

福本先生ってウッカリ言い間違いをしますね(^^;
ただ「大人の事情」などでその後の物語を描くとこになるかもしれないから、その時は「新 カイジ」とかになるんでしょう、だって。
それでも今の「カイジ」の物語としては上記のような「物語の終わり」が一番だと思っています、的発言でした。

Q/『新 ブラックジャックによろしく』に「赤城」というキャラクターが出てきますが、その名前の由来は福本先生の『アカギ』を意識したものなんでしょうか?(ちなみ赤城さんは女性キャラです)
A/そうではなくてーアイスの「赤城乳業」から取りましたー。
※「ガリガリくん」ですかっ!しかも「パッケージの見た目が派手なんだけあんまり美味しくない」のが気になって・・・という理由なのっ!?

ここで福本先生から「僕の『アカギ』の方は昔の俳優さんの『赤木圭一郎』から取ったんです。下の「しげる」はその時の自分の中で治まりの良かった名前です!」とアカギ命名のヒミツが!!!
※和製ジェームス・ディーンと言われた方ですね。カート事故で夭逝されてしまって伝説化してる俳優さんですが、「アカギ」最初のチキンラン勝負のモチーフにもなってたりするんでしょうか?

Q/『ブラックジャックによろしく』での手術シーンや医師の現状などの描写はどうやって?
A/最初の頃は特に資料とかなしで手術シーンなんかは描いてました。その後取材として何度も実際の手術見学をさせてもらったり、直接いろいろな医師にお話を聞くなどして描いてます
※佐藤先生は医療機器の展示会などに自ら足を運んで機材の資料などを集めつつ、その場でお医者さんをナンパするそうです(笑)。そうして仲良くなっていろいろ取材させてもらうんですって。講演会ので先生はそういうの苦手そうなんだけど、逆に好感もたれて親切にしてもらってるのかなー。

Q/「斉藤先生の前にアルツハイマーに冒された53才くらいの男性が「死」を望んで現れたらどう対応されると思いますか?」
(要は晩年の赤木しげるが訊ねてきたら例の装置を提供したりすると思うか?ってことですかね)
A/「取材の一環でアルツハイマーの患者さんや植物状態と言われる患者さんに接する事もありましたが、そうした人を見ているとどんな状態でもその人の意思はあると思うんです。笑うし、嫌な人や事柄にはそういう反応をするし、動くし・・・その人の人格や自己決定権は失われていないと思うので、医者の側から「そうなったら死んじゃえば」とは言えません・・・」

「僕だって『自殺』はよくないと思ってるよっ!(苦笑)」って慌てて福本先生が発言。
※『天』最終巻の「あとがき」で福本先生のこのへんの見解は書かれているので未読の方は是非。

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ここまでで既に講演予定時間の1時間半の大半を消費・・・っ!
いよいよ先生方により作画実演コーナーですっ。

まずは佐藤先生から特設机に移動。プロジェクターがセットされているのでステージ上の大型スクリーンに描いている様子がそのまま写されます。佐藤先生が集中して描いている間は福本先生と岩見さんがスクリーンを見ながら解説です。
「秀峰は上手いですから。よーく見ておくといいですよ」ワクワク

佐藤先生は左利き。用意されていたシャーペンで(おそらく)ケントボードに簡単に丸と十字で顔のあたりを取ると、まずは眉から描き始め目、鼻、口と顔の中のパーツをサラサラ。輪郭や髪の毛のラインもササッと入れていきます。
はえー、凄いー。
おおまかな下書きをしたら今度はマジックペンでペン入れ。
各部分ごとに紙をくるくる回して一番描きやすいラインが取れるようにしてます。いや、ホントにクルックルッと紙が回ってました。
描きやすいように姿勢を変えたり紙を動かしたはずみでプロジェクターに絵が映らなくなってしまったりすると、すかさず「秀峰ー、もっと紙の位置あげてー」と指示を出す福本先生。

「眉から描かれるんですか!?」という岩見さんのコメントに対して「そうですね。だいたいそこからですね」
「描くの早いですねー」「秀峰はこれくらいが普通じゃないかなー」
「描きやすいようにああして紙を回して描きますねー」
などと福本先生がコメントをいっている間、トータル5分ちょいほどで「斉藤先生」が完成!
最後にサインをいれて終了。見事な技に大きな拍手が客席から起きました。

続いて福本先生の出番です。

つづきは 「福本伸行先生×佐藤秀峰先生講演会 in 女子美 その3」 へGO!

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続いて福本先生。
佐藤先生と入れ替わって特設机へ着席。

おお、福本先生はあたりの丸と十字のもいれずに眉から描き始めた!
この眉の太さは・・・カイジだーっ!!!
キリッとあがった眉を描き、目、鼻とサクサク描いていきます。

今度は佐藤先生が解説役。
「福本先生の絵の特徴というと・・・」
「やっぱり・・・アゴ・・・ですかねぇ・・・あと、『誰にも似てない』というのが凄いと思いますね」
アゴのところで場内からは笑い声。『誰にも似てない』というのは本当にその通り!

スタッフさんに「当て紙ありますか?なんでもいいです(^^)」と聞く福本先生。あわてて手元にあったコピー紙を手渡すスタッフさんでした。
先生は受け取った紙を適当な大きさに折って手の下に引きます。
絵を描く時にペンを持っている方の手の下に引いて、手の汚れや油がつかないように原稿を守るための紙ですね。

佐藤先生からも「汚れ防止にああして紙を敷くんです」と解説が。

大まかな下描きを終えたらペン入れです。
マジックの太いものと細いものをまめに使い分けてペン入れをする先生。この時も眉からだったなぁ。

紙をくるくる回しながら作業をするのは同じですが、やはりいつもと勝手が違うのか椅子の高さや作業スペースの大きさが気になる模様。ちょっと椅子の位置を動かしたり、使わなくなった画材を片付けたりしながら描き進みます。
ハイスピードでペン入れをしていた佐藤先生とは対照的にジックリと描く感じ。

目の前で「カイジ」が少しづつ出来上がっていくのですが、顔の傷部分を描いたところで妙に盛り上がってる一団が・・・最初の時にもキャーっと歓声をあげてた子たちかなぁ・・・。まあ、その集団に限らず客席は終始「ざわ・・・ざわ・・・」と先生の手が動くたびになってました。

二重のまぶたラインを描く時は結構ゆっくりと慎重に線をいれてたなぁ。
髪の毛部分にペン入れをする時に下描きからギュッとはみ出しちゃった!
「あ・・・」という空気が場内全体に流れるも先生は丁寧にリカバリー。後のベタ塗りに時に丁寧にそのあたりを塗りつぶしてました。
あと耳を描いたときに下描きでは入れてなかった「耳を繋いだ手術の縫い跡」を点点点・・・とちゃんと入れてました。
(これは描いている途中で「あっ!」と思い出して描き入れたそうです)

カイジの左右の開いたスペースの右に『カイミ”』・・・じゃなくて『カイジ』。
左にサインを入れるかと思いきや、『圧倒的閃き』そして『ざわ・・・  ざわ・・・』の文字。
一番最後に右下にサインをいれて完成です。
「おおおーッ」と客席から大きな拍手。
福本先生は本当に丁寧に描き込んでくださったようで、仕上げるまでに15分以上かけてくれてました!
これが後で客席の誰かにプレゼントされる訳ですね!

「『ざわ・・・』は描くと喜ばれるんですよ~。」とニコニコしながら話す先生。
今日は簡単な下描きを描いてから仕上げたけれど、そうもいかない時が結構ありその時は「耳」をバランスよく入れられないことが多い。そういう場合は描かずに誤摩化してしまうんだけれど、「今日はこれは巧く描けそうだなー」と思ったのでちゃんと左耳を出したVer.のカイジを描いたそうです。(後頭部の形がバランスよくスペースに入らない時は耳も描かないみたいな感じに話されてました)
「結構貴重です」との事でした。

女子美カイジ

つづきは 「福本伸行先生×佐藤秀峰先生講演会 in 女子美 その4」へ

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Q/福本漫画といえば『ざわ・・・』の擬音ですが、あれはどうして『ざわ・・・』なんでしょう?
A/「人がいて『ざわ・・・』という事もあれば、主人公以外誰もいないのに『ざわ・・・ざわ・・・』としている事もあるので、「どうして?」と良く聞かれます。主人公の心理的な『ざわ・・・』もありますし、周囲で主人公たちの勝負を見ている人たちの気持ちを代弁する『ざわ・・・ざわ・・・』もある訳です。
そういう描写を挟むことでシーンとしての『間』が上手く取れたりするんです」


Q/「無頼伝 涯」の涯の顔にある稲妻型の火傷の後の理由が作中では語られないままでしたが、先生の中で設定などがあったのでしたら教えてください!
A/「涯は施設育ちで過去の背景がないんです。なので彼のキャラクター性を出す為の特徴として。自分の作品の主人公の中では「アカギ」とかぶるクールなタイプのキャラなので、その差別化の意味も。顔に傷のあるキャラ、というのは他の漫画でもよくあるけれど『火傷』というのはないな、と。」
※特に涯の生い立ちなどの過去設定を決めてあった訳ではないそうです。
キャラクターの家族関係やその時点までどういう暮らしぶりだったのか・・・などを福本先生が描かないのは「過去の話は面白くない」と思っていらっしゃるからだそうです。主人公の『今』を見てほしい!、という気持ちが強いんでしょうかね。
アカギに関しては彼も涯同様13才以前の具体的な過去設定などは作り込んでないような口ぶりでした。


Q/『きのこの山』と『たけのこの里』のどちらが好きですか?
A/福本先生:「!?・・・何かの時のたまたま食べた事があるかもしれないけれど・・・どちらと言われても(苦笑)」
佐藤先生:「僕は『たけのこの里』ですねー(^^)」

※この質問は・・・なんだったんだろうな???ある年齢層で「きのこ派」と「たけのこ派」に別れる・・・という話を聞いた事があるので、そういう意図で質問者さんは聞きたかったかな?

Q/「天」の赤木や「銀と金」の銀さんなどの派手なアニマル柄のシャツ、森田のスーツが緑でシャツがピンク、などの服装センスは先生のこだわりですか?
A/「あれは僕の中の『アウトロー』のイメージがああなんでしょうね!(笑)
森田の緑スーツや銀さんの黄色スーツなどはカラー原稿を塗る時のカラー映えを考えて・・・赤、青、黄色みたいな感じで色を決めて指定しちゃったんでしょうね」
(カラー塗りはアシスタントさんにおまかせの事が結構あるようでした)
ここで「僕も塗ったことが・・・ボソボソ」と佐藤先生。
(声が小さくてよく聞き取れなかったんだけど「銀さんの黄色とか」って聞こえたような?)

※カイジが作中で着ている服は福本先生の私物をモデルに描いているそうです。
福本先生自身は以前はあまりファッションにこだわりがなかったものの、ここ数年はちょっとこだわりを持って良い物を着ていらっしゃるそうです。 
その理由→岩見さんの『モテるからですか?』の質問に対して、『ハイッ!!!』と元気に返事をする福本先生でした。


Q/『熱いぜ!辺ちゃん』の初期頃のかわいい丸い顔から次第に顔がとがっていったのは?
A/「これも『ギャンブラー』に対するイメージや男らしい顔、カッコイイ顔、というイメージを追求していった結果だんだん変わっていったのだと思います。最近はまたちょっと丸い感じになってきてますが、「天」の後半の頃などは今見ると自分でもトガりすぎだったと思います(苦笑)」

Q/『カイジ』の映画化の噂がありますがどうなんでしょうか?
A/「えー・・・来年の6月から10月の間のどこかで公開予定です。途中何度か脚本を読ませてもらって、意見を言える機会もありました。面白いものになりそうですよ!映画化されるのは喜ばしい事です。期待しててください。・・・僕もちょっとだけ出ます。「黒服」役です」
※先生から直々に映画化進行中の話題が出たーーーーーー!!!
 脚本段階で先生のチェックが入っているなら、まあ最低限安心出来るかな(^^;
 公開されたら黒服姿の先生探しで背景の人ばっかり気になっちゃいそうだなー。


Q/『アカギ』や『カイジ』のアニメ化、Vシネ化などについてはどう思われていますか?
A/「最初の「アカギ」のアニメの設定表を見せてもらった時には『トンガリすぎだろうっ!』って思いました(笑)ここまでじゃないだろーって。僕の絵は立体にして動かそうとすると難しいみたいです。アニメーターさんの腕が良かったのでとてもいい出来になっていたと思います」
※「頭蓋骨の形が変!」とかは昔のNHK番組の「BSマンガ夜話」内でもアフリカ系原始彫刻と比較して取り上げられてましたね。

アニメ化や映像化された場合の収入ってどうなんでしょうか?と岩見さんからの質問には「海猿」「ブラックジャックに~」と映画&ドラマでヒットした佐藤先生が答えてくれました。
「そんなにもらえないです・・・意外に・・・200くらいとか・・・」
福本先生もうなづきながら「そんなものだよねー」って感じでした。

Q/福本先生の独特の書き文字について。「ン」が「ニ」に見えてしまうのですが?
A/「そ、そうですか!?僕の中では「ン」は横棒が2本の字で、「ソ」は縦棒が2本の字、と思っています。なのでアシスタントが文字を書く時にも「『ン』はもっと横に寝かせて」って言っちゃうんですよね。」
※先程の色紙の「カイジ」も「カイ『ミ”』」って読めるよねー。

Q/『カイジ』の利根川と『零』の後藤などのような似た顔、似た名前のキャラクターが福本漫画にはよく登場しますが、それはパラレルワールド的なものを意識されて描かれているんでしょうか?
(坂崎のおっちゃんと末崎さくら、刑事と言えば「安」の字がつく名前の人、みたいなスターシステムっぽいところですね。私も質問したかった内容です。)
A/「悪人」の顔を描きわけるのには自信があるんですよ・・・でも・・・最近は少しネタ切れ?というか似てきてますね。
※顔や名前が似ていても同一人物やパラレル的世界を意識している訳ではないそうです。手塚キャラ的なスターシステムという訳でもないようで、本当に個々のキャラの役割やイメージを考えて作画していくと似たタイプになっちゃうのかもしれませんね。

佐藤先生も実在の芸能人をモデルにしたようなドクターを描いているのですが、その件については「最初は似せていても結局は自分のキャラになっちゃうんです(笑)」

Q/『大人』のキャラのイメージについて。両先生の作品に登場する大人たちが非常に魅力的に描かれていて、一概に「大人=ピュアな主人公に敵対する悪」と言えないところが面白いのですが?
※これは会場からの質問ではなく、岩見さんの方で聞いてくれた質問です。
事前にネットで福本系サイトを見て回ったら「鷲巣様カワイイ!」な意見が多くてびっくりされたそうです。・・・まあ、そうかもしれぬ。

A/「鷲巣なんて『カカカッ キキキッ くゥ~~』なんて言って(笑)それが可愛いんです!」
※福本先生は『巨悪』というもののイメージに『幼児性』の要素があると思っているので、鷲巣も妙に無邪気で子供っぽい部分を持っているように描かれているそうです。
福本先生の中では鷲巣と兵藤は同じ『巨悪』でも少し違うタイプだと思っていて、さらに『悪党』というと利根川みたいな大人になってしまう、とも。


佐藤先生も「良い人」のキャラよりも「悪い人」を描く方が面白みがあって楽しいそうです。

Q/福本先生が作中で描かれたギャンブルでお気に入りはどのギャンブルですか?
A/「『銀と金』の中の・・・えーと・・・ルノワール?だっけ???を見分ける・・・」
「セザンヌでは?」と岩見さんのフォローが。
「そう、セザンヌ!の絵を見分けるギャンブルでの『金の橋』です。札束の厚みで・・・。あれは自分でも本当に面白かったなぁと思ってます(^^)」

※美大での講演会でこの画家名間違いのミスは。(苦笑)ギャンブルのトリック的に印象派特有のボンヤリとしたタッチが重要な為、同じ印象派の画家同志で先生うっかり名前を間違えちゃったのかもしれません。

Q/『最強伝説 黒沢』のような建設会社で働いていらっしゃいましたが、もし漫画家になれずにそのままそこで働き続けていた場合のご自身をイメージして描かれたのですか?
A/「建設業界では30過ぎまで結婚出来ないぞと言われていて仕事そのものは楽しかったけれど、いろいろ大変な事もありました。そうした経験が「黒沢」に反映されていると思います。僕の働いていた会社は3年くらいで潰れちゃったんですけどね。」
※福本先生は自分の生み出したキャラの中では「黒沢」が好きだそうです。今はなかなかああいうタイプの主人公がいない、主役も脇役もみんなカッコイイタイプが多い。昔の漫画では脇役にもそうした個性的なキャラがいっぱいいたのに・・・と語られてました。

Q/作中の金銭感覚について。実体験が元になっているのですか?
A/「僕はサラ金なんかから借金はしない!と心に決めていて…昔はサラ金からお金を借りるなんてダメ人間の第一歩だったんですよ。それが最近は『ポケットバンク』なんて・・・あんなのポケットじゃないですよ(笑)
世の中の仕組みで結局金持ちは物を安く買えて、貧乏人は高く買わなくちゃいけない。どういう事かというと、お金のある人はキャッシュで買って預金からは利子が入ってくる、貧乏人はローンで買って利息分をさらに支払わなくてはいけない・・・こうした仕組みに気づいた事でしょうか。
僕の金銭感覚は昔とあまり変わってないです。銀座で1晩で100万なんて使えません(笑」)

※金持ちと貧乏人の仕組みは聞いていてナルホドと思いました。(カイジに登場する帝愛グループだなぁ)
しかし福本先生は銀座で100万は使えなくても海外カジノで50万は使えちゃう人なんだよね(^^;

Q/『アカギ』の鷲巣麻雀が終わった後にアカギのその後、『天』に至るまでのアカギを描かれる予定はありますか?
A/「これは…オファーもあるし描きたいと・・・思ってます・・・でも鷲巣編が終わったらしばらくお休みをもらってそれからですね」
※最近メディアに登場する時に「鷲巣麻雀はいつ終わりますか?」的な事をよく聞かれている福本先生ですが、一応その先の構想も持っていらっしゃる様子。ちょっと安心。ただ個人的に気になっているのが「鷲巣麻雀編」と「鷲巣編」を先生が同じ意味で使っているのか?という疑問(笑)。「鷲巣編はまだまだ続きます!」発言の真意として、アカギと鷲巣の麻雀対決そのものが終了したあとも『天』の最終章みたいな展開に持って行く気じゃ・・・と怖い想像が浮かんでしまいました。


こんな感じで質問コーナーも全て終了!
予定時間を大幅に越えてもたくさんの質問に答えてくださった両先生ありがとうございました!

黒服レディが登場して先ほどの「カイジ」と「斉藤先生」のイラスト抽選会。
各自の入場チケットの裏に印字された番号が抽選番号。先生方がくじ引きでひいた番号と同じなら見事当選!という形でした。(さすがにくじ引き箱はティッシュ箱仕様ではなかったなぁ)

当たった人・・・羨ましいっす 8(>m<。8
見事当たったお二人には先生方から手渡しされてました。

先生方への花束贈呈が最後にあり、お二人からの挨拶。

福本先生:「こんなに大勢の方に集まって頂いて、とりとめのない話が多かったですがありがとうございました。僕らは漫画を描くしかないので、僕らの漫画を読んで楽しんでもらえると嬉しいです。」

佐藤先生:「今日はありがとうございました」最後まで大人しい佐藤先生でした。

司会役だった岩見さんも最初の「皆さんと一緒に作る講演会にしたい」と思った通りに出来たので司会としても楽でしたーと話されてました。

会場の大きな拍手に包まれて先生方、退場。
女子美のスタッフさんからも来場者への感謝の挨拶があり講演会は終了しました。

トータル2時間半のとても充実した講演会でした。行って良かったー♪
企画者の女子美スタッフさん、ありがとうございました!!!
(予定時間を超え始めたときに岩見さんがコソコソっとスタッフさんのところへ行って時間の延長確認をされていたようだったので、本当に時間ギリギリまで開催してくれていたのかもしれないですねー)


※一緒に行った友人二人も面白かった!と喜んでくれました。
 福本先生の下積み時代の話なんかは聞いていて前向きな気持ちをもらったそうです。
 特にMちゃんからは深夜にメールで「『零』を買って帰って今読んでる!面白いっ!!!」って。早っ!!!
 やったー!福本読者を増やせたよ~ ヽ(´ー`)ノ 

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この講演会レポを最後まで読んでくださった方にも・・・感謝っ!!!

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